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2023-08-24 10:21:00

 8月8日に、「令和5年度やまがた学校改革推進協議会」の第1回を対面とオンラインのハイフレックスで開催しました。この協議会は、文部科学省「教員研修の高度化に資するモデル開発事業」の一環として実施したものです。当日の参加者は、本事業に関わる山形県内の学校および山形県教育委員会、山形県教育センターの関係者など、42名(対面参加30名、オンライン参加12名)でした。山形新聞と本学のプレス・リリースで本事業について知った宮城県の現職教職大学院生の参加もありました。

現在、日本の教職員は、忙しく勤務しているにもかかわらず、十分な研修時間が確保されていません。「学びたいけど学べない。」という状況が、多忙感をいっそう強めています。このため、現場で学ぶ教師をエンパワーする学校内外の教員研修の充実が、喫緊の課題になっています。こうした課題の克服を目指し、教育実践研究科と地域教育文化学部では、山形県教育センター、山形県教育委員会と共に、全国に先駆けた新たな教員研修のモデル開発に着手しました。今回の協議会は、そのスタートとして企画されたものです。

当日は、出口毅副学長の挨拶のあと、前半は、中西正樹研究科長が座長をつとめ、次の報告がありました。

(1)本事業の全体像とねらい

(2)山形県教育センターの「学校マネジメント講座」の進捗状況

(3)本事業で整備する学校内研修スペース「学びカフェ」について

報告の中心は、本プロジェクトにおいて共有すべき哲学(「Open, Transparent, Flexible, Accountable」)の提示と、その具体例としての公立はこだて未来大学、河北町立谷地南部小学校の取組みの紹介でした。(「哲学」とは、「基底になる考え方」を意味します)。忙しさの中で、教職員一人ひとりの個性的な「人となり」や実践は共有されず、見えなくなりがちです。本プロジェクトの「学びカフェ」は、それを打開することを目指し、各校の状況に即した柔軟な運営を目指します。

協議では、「世界と比較して、日本の教員の自己研修にかける時間の減少が印象的」という指摘や、「日本の教員は、パブリックな面とプライベートな面が重なる多面的な存在である」という指摘がありました。

 

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前半の報告の様子 後半の対談による問題提起


 後半は、「新人教師の悩みとこれからの研修に期待すること」として、ディスカッションを行いました。佐藤瑞紀さん(新庄市立新庄小学校教諭、教職6年目)と森田智幸准教授による対談の問題提起のあと、江間史明教授のコーディネートにより参加者同士で話し合いをしました。話し合いでは、「どこの学校でも多忙感があり、若手の先生方が悩んでいる現実があるのだと実感した」という指摘がありました。

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グループで協議する参加者 グループで協議する参加者

 

協議会後の感想では、参加者から、次の声がありました。「学びカフェの構想が今後、山形県で広がり、どこの地域でも、学校が大学や県教育センターと連携しながら児童・生徒の学びをサポートできるよう、レベルアップできるようになることを期待したいです。」「皆様の熱い思いが伝わってくるとともに、新しいプロジェクトへの期待感がこみ上げてきました。」

 今年度の本協議会は、第2回を1217日(日)、第3回を来年の215日(木)に予定しています。ご関心をお持ちの皆さんの参加をお待ちしています。