山形大学教育実践研究科は、2025年3月24日(月曜)に、山形県教育センターと、連携協力に関する覚書を締結しました。これは、山形県教育センターの「学校マネジメント講座」の2025年度からの本学実施を前に、「地域の教員研修の課題に適切に対応し、もって地域における教育の振興と発展に資する」ために締結されたものです。
当日は、山形県教育センターのカリキュラムセンター(学びカフェ)を会場に調印式が行われました。
はじめに、中西正樹教育実践研究科長より、山形県教育センターとの連携事業が、文部科学省の「教員研修の高度化モデル開発事業」を契機に展開したことと、本覚書をふまえて、2025年度より本格的に「学校マネジメント講座」を持続可能な形で推進していきたい旨、発言がありました。
次いで、安部康典山形県教育センター所長より、これまで2年間の試行期間における「学校マネジメント講座」の受講者の取組みの成果の紹介があり、引き続き、教育実践研究科と連携して本事業を進めていきたい旨、発言がありました。
そのあと、調印式にうつり、覚書の署名が行われました。調印後、「学校マネジメント講座」のこれまでと来年度以降の取組みについて、和やかに懇談が行われました。
調印に臨む安部所長(左)と中西研究科長(右)
覚書を交わした安部所長と中西研究科長
※「学校マネジメント講座」については、本ホームページの3月6日付記事「令和6年度やまがた学校改革推進協議会(教員研修の高度化プロジェクト)を開催しました」をご参照ください。
「令和6年度やまがた学校改革推進協議会」を、2024年12月15日(日曜)と2月18日(火曜)の2回、ハイフレックスで開催しました。この協議会は、令和5年度に実施した、文部科学省「教員研修の高度化に資するモデル開発事業」を受けて、その2年目の事業として山形大学が独自に実施したものです。協議会の参加者は、本事業に関わる山形県内の学校および山形県教育センターの関係者など、のべ36名でした(対面参加者24名、オンライン参加者12名)。
本事業は、これまで各個人の資質能力の育成に重点を置いていた教員研修を見直し、学校の教職員コミュニティの活性化を視野に入れた共同体ベイスの新たな教員研修システムを構築するものです。事業の柱は、山形県教育センターと連携した「学校マネジメント講座」の企画運営と、学校に設けた「学びカフェ」という新しい研修空間の活用になります。
12月15日(日曜)の第1回協議会は、出口毅理事・副学長の挨拶のあと、中西正樹研究科長が座長をつとめ、次の報告がありました。
(1)令和6年度「学校マネジメント講座」の進捗状況について
県教育センター主任指導主事 阿部瑞枝
(2)令和6年度「学びカフェ」の実践報告と交流①
2月18日(火曜)の第2回協議会は、中西正樹研究科長の挨拶のあと、江間史明専攻長が座長をつとめ、次の報告がありました。
(1)令和6年度「学校マネジメント講座」の成果と課題
県教育センター主任指導主事 佐藤高志
(2)令和6年度「学びカフェ」の実践報告と交流②
(3)令和6年度「学校マネジメント講座」受講者の取組みの発表
・「学校マネジメント講座」は、令和5年度にスタートして2年目を迎え、受講者が昨年度の20名から今年度は35名に増えています。通年4回の講座を設け、受講者は、勤務校内での自分の立ち位置(校務分掌など)から学校改善に向けたテーマを見いだし、実践プロジェクトを立ち上げて、1年をかけて取り組みます。プロジェクトは、「地域連携・防災」「校内研修」「学校DX」「インクルーシブ」の4つのテーマのいずれかを受講者が選びます。「まずは小さくやって試してみる。それを省察して物語り、周りを巻き込んでいく」というスタイルで、受講者と勤務している学校がともに高まっていくことを目指しました。
・受講者の満足度は、「とても充実した」とする割合が、第3回の学校別協議の81.9%から、第4回の報告交流後の93.9%に、大きく増加しました。受講者の話を聞くと、最初は、「学校マネジメント講座」という講座の名前にかまえてしまっていたが、第3回で「小さくやって試してみる」ことを受講者同士や講師の大学教員と話すことができ、自信をもって第4回まで取り組めた、ということでした。
そうした取組みのなかから、2月18日には、2名の受講者から発表をいただきました。金澤彰裕氏(山形大附属中)「業務の効率化から得るもの(学校DX)」と、庄司隆志氏(山形東高校)「教科横断的な学習を探究する‐地理歴史と国語の往還‐(校内研修)」です。
・「学びカフェ」の実践報告と交流については、「学びカフェ」を設置した6校から、設置2年目の実践報告がありました。「学びカフェ」は、transparent(互いのありようが見えてくること)やflexible(しなやかに組み換えられるようになっていること)などを哲学とする新たな研修対話空間です。それぞれの実践校の独自性を活かした創意ある展開が報告されました。例えば、天童市立山口小学校からは、「落ち着いて話ができる」(静寂性)と「ホワイトボードによる対話」(可視化)から「学びカフェ」を特徴付け、教職員間の対話に広がりや深まりを感じられるようになったと報告がありました。新庄市立萩野学園では、校内の教員が講師を務める自主的な研修を行う場となり、中堅リーダーや若手教員自らが進んで研修していく動きを後押ししているという報告がありました。酒田市立一條小学校でも、「少しのことでも気軽に共有して学ぼう」という意識の共有化・高まりがみられたということでした。山形県立長井高等学校や、山形大学附属小学校、河北町立谷地南部小学校においても、和やかな雰囲気や通信環境を生かした取り組みについて報告がありました。
「学校マネジメント講座」と「学びカフェ」については、次年度以降も取り組んで行く予定です。(江間史明)
出口理事・副学長の挨拶(12/15)
協議会の様子(12/15)
中西研究科長の挨拶(2/18)
学校マネジメント講座受講者の発表(2/18)
2024年12月22日(日曜)に山形大学小白川キャンパスを会場に、第11回やまがた教員養成シンポジウムをハイフレックスで開催しました。参加者は、64名(対面37名、オンライン27名)でした。山形大学地域教育文化学部・大学院教育実践研究科と公益財団法人やまがた教育振興財団が主催し、山形県教育委員会と東北文教大学の後援をいただきました。
本シンポジウムのテーマは、「これからの山形の教員養成を考えよう」です。現在、山形県では、少子化による長期的な教員需要の減少傾向と、年齢の高い教員層の大量退職による教員需要の高まりという2つの動きがアンバランスに進行しています。そうした中で、教職を志願する学生が減り、教員志願倍率の低下が問題になっています。現在の大きな課題は、「地域や学校現場のニーズに対応した質の高い教師を、継続的・安定的に養成し確保する仕組み」を山形県内にいかにつくるか、にあります。
今年度の第11回やまがた教員養成シンポジウムでは、地域において質の高い教師を継続的・安定的に養成し確保する取組みについて、その現在地と今後の課題について、幅広く関係する皆さんと議論する場とすることを考えました。シンポジウムの報告者は、次の3名でした。
① 「小学校教員体験セミナー」の現在地
山形県教育局高校教育課指導主事 叶内有希絵
② 地域希望枠による教員養成の特別教育プログラム
山形大学教授 吉田誠
③ 地域や現場ニーズと新しい教員養成のコンセプト
山形大学教授(副学部長)安藤耕己
報告のあとの質疑と意見交換では、東北文教大学の鈴木隆副学長に指定討論をお願いしました。会場からは、「小学校教員体験セミナー」の実施校の広がりを求める意見や、新しい教育学部を山形の教育を変えるきっかけにしたいという意見など、活発な発言がありました。
会場には高校生も多く参加し、新しい教育学部への関心の高さをうかがうことができました。アンケートには、高校生から、次のような声がよせられています。
・実際に小学校教員体験セミナーに参加したのですが、改めて参加した意味を確認することができました。また、自分が、教員を目指すにあたって必要な力を知ることができ、これからの生活で意識していこうと思いました。ありがとうございました。(高校生)
・ただ教員になりたいということだけではなくて、教育面の課題にふれることで、自分の中での教育に対するイメージを大きく変えることができた。見方が変わった。ありがとうございました。(高校生)
このほか、アンケートには、本テーマでの継続したシンポジウム開催を要望する声もありました。ご参加いただいた皆さまに感謝申し上げます。ありがとうございました。
(江間史明)
パネリストの報告
質疑と意見交換
第11回やまがた教員養成シンポジウムを開催します。日程は、12月22日日曜の午後です。
場所は、小白川キャンパス(ハイブリッド開催)です。シンポジウムの内容と申込フォームは、こちらのちらしをご覧下さい。
中高生や保護者の皆様ほか、たくさんの方のご参加をお待ちしています。