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2021-12-20 16:27:00

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 令和3年12月5日(日)、12月11日(土)、12月19日(日)に「第4回学びのフォーラム」を開催しました(主催:大学院教育実践研究科・地域教育文化学部、後援:山形県教育委員会)。

 フォーラムでは、これまでに引き続き、「学ぶとはどういうことか」を主題に、高校生・大学生・社会人の合同でゼミナールを行いました。平成27年度から、高校生と大学生を対象とした合同ゼミナールを始めて、今回で7回目です。

 今年度は、3回の開催で合計150名(高校生75人、大学生20人、社会人55人)の方に参加していただきました。参加した高校は、次の16校でした。新庄北高校、東桜学館高校、寒河江高校、谷地高校、山形東高校、山形西高校、山形北高校、山形中央高校、長井高校、南陽高校、米沢興譲館高校、米沢東高校、酒田東高校、酒田南高校、新発田南高校(新潟県)、静岡学園高校(静岡県)。ホームページをみた県外の高校生の参加もありました。

 今年度の学びのフォーラムでは、対面/オンラインのハイブリッド型開催に新たに挑戦しました。各回11名から15名のオンライン参加者がありました。宮城県南三陸町や宮城県仙台市などの県外に加え、山形県酒田市、鶴岡市、新庄市からの参加者です。対面の教室では新型コロナウイルス感染症への十分な対策をとる一方、オンラインは、感染症対策にとどまらず、参加者の広がりを促すメリットがありました。

 

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対面会場の様子 オンライン配信の様子

 合同ゼミナールのテキストは、佐伯胖『「わかり方」の探究』(小学館)です。全3回、森田智幸准教授がコーディネーターを担当しました。3回目の12月19日には、テキストの著者である佐伯胖氏(東京大学名誉教授)に対面で参加いただき、適宜コメントと、最後に総括として講評をいただきました。

 12月19日は、テキスト第3章「『遊ぶ』ということの意味」の節を読み、「学び」と「遊び」の関係について、特に、「遊び」の中で起こる「けんか」について考えました。「けんか」はよくないことだと思ってきたにもかかわらず、テキストでは、「対等なけんかをしましょう」とされている点、また、「遊びと学びが渾然一体」と述べられていることと「けんかをすることの意味」との関係について、よくわからないという疑問が高校生から出てきたことがきっかけです。

 会場のグループからは、周囲からの評価を気にしてしまい「けんか」をしないようにしていることへの気づきや、けんかの仲裁が保育者または教育者側からの基準に基づいてなされてしまっていることへの気づきが出されました。

 佐伯氏からは、きちんとけんかをするように促す保育の事例が紹介されました。遊び道具として台車を取り合うけんかをした2人の子どもがいたとき、けんかに勝ったほうに、見ていた2歳児が「〇〇ちゃん、それで本当に遊びたかったのね」と声をかけたら、勝った方の子どもが台車を手放し、けんかをしていた子どもと一緒に遊ぶ方法を考え始めたということでした。「けんかをやめなさい」と大人が介入してもこのようなことは起こりません。相手と真剣に向き合うからこそ、本当にやりたかったことが結果として見えてくるというお話でした。J.デューイが、著書How We Thinkの中で、遊び心playfulと真剣さseriousとは、同時に成立しうると述べていることも合わせて紹介されました。

 

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講評を行う佐伯胖氏 ディスカッションの様子

 この佐伯氏の話を聞いて、ある高校生は、日常の出来事と重ねて、友達に何かを教えようとしたとき、わかっていたつもりだったことが、実はわからなかった自分に気づいた経験を紹介してくれました。その経験は、友達に何とか教えたいという真剣さの中に、見えてきた、それまでは見えていなかった自分の姿なのかもしれません。

 この学びのフォーラムについては、サテライト会場の設置など山形県内他地区においても開催してほしいという要望をいただいています。その期待に応えられるよう、来年度以後も開催形態を模索していきます。来年度も、参加者が直面している「学び」の場を再考する場として、本フォーラムを開催します。皆様のご参加をお待ちしています。

以下に、参加者の方からいただいた感想を一部紹介します。

 

【高校生】

・立場や年齢、性別や環境など、違うことだらけの人が集まって同じことについて議論し合うことで、新しい立場から見ることができたり、だれかの発した一言で、自分の中で納得ができたり、一人では思いもつかなかった考えにたどり着くことができて、とても良い経験になった。

・佐伯先生のお話を実際に聞けて良かったです。抽象的なものごとについて熱中して話し合ったのが初めてでした。すごく楽しかったです。来年受験生ですが、来たいと思います。

・フォーラムの参加2年目で、自分の視点の変化を顕著に感じられた。どうやら、佐伯さんの言葉を借りると、私は、まさに「シラケ」の状態らしい。本来の「遊び」、「学び」を取り戻し、「シラケ」から脱する。今回のゼミを通して、その方法のヒントを得られた気がする。

・今回このゼミナールに参加して、最初は上手く話せる自信がなく、緊張していましたが、グループの中で話し合いをしていく中で、話している時に、共感してくださったり、色々な引出しを出してくださって、こんなに話せると思わないくらい自分の自由な意見が言えて、とても楽しかったし、いい経験になりました。いろんな考えをもっている方がいて、「楽しく学ぶ」ための教職に興味を持ちました。今日は本当にいい経験になりました。

【一般(社会人)】

・1年生の担任をしていて、けんかがこんなに起きるんだ!という毎日を送っている。担任間で話をしていると「けんかがいじめにつながってしまう」という話題になることも多々あり、いつも引っ掛かりを持っていた。今日、佐伯先生の話をきいて、私がすべきことは、とことん付き合っていくことであり、願いや思いが何か探り、聴くことだとわかった。私が今まで考えていたものは、本当のけんかではなかった。相手の考えや自分の本当の一面に気づく喜び、おもしろさを感じることが欠けていた。こんなところで学びとけんかがつながるとは。毎年参加し続けることの醍醐味を感じた。

・このフォーラムでは、高校生や大学生、いろいろな人と対話することでいろいろなことが見えてくるし、考えることができると感じました。テーマは難しいけれど、教育者としての原点(ベース)となるところを考えることができると思いました。

・何回か参加していますが、同じテキストを読んでも、その度に気づくことがあり、とても勉強になります。明日からの仕事、実践がまた変わりそうです。考えさせられる機会を頂き、ありがとうございました。

(担当:森田智幸(文責)、江間史明、山科勝、石垣和恵)

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コーディネーターの森田智幸准教授 地域教育文化学部の大森桂学部長も参加。
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